ピアノコンクール　ユース部門ファイナル１位

見事にファイナル１位を獲得されました！

富山市新庄、藤の木校区にある　まきのピアノ教室　牧野尚美です。

小学６年生のAさんが、先日行われた大阪国際音楽コンコールのファイナルで、sectionⅢ　ユース部門の１位を見事に獲得されました。
モーツァルトのソナタKV.545　３楽章ロンドを演奏しました。

古典派モーツァルトならではの丁寧な演奏に好評価

難しいテクニックを見せつけるような派手な曲ではないのですが、モーツァルトならではの軽やかな音色やフレーズの歌い方、古典派の曲の構成をよく理解した丁寧な演奏に好評価していただけたようです。

Aさんは本番で、高音がキラキラと輝くような音色になるようにタッチにこだわったり、勢いのある演奏を心がけることなど、これまで何度も繰り返し練習してきたことを思い出しながら演奏できたそうです。

疲労と緊張の中でも自分の力を最大限に引き出せた

コンクール当日、早朝５時にお父様の車で富山を出発し、大阪まで長距離ドライブの後、ピアノの練習もできないままの本番だったようです。
疲労と緊張が重なる中、大きな舞台で自分の力を最大限に引き出せるのは、Aさんの素晴らしい力だと思います。つくづく感心させられます。

うらやましい！　^o^

不利な状況で力を発揮できたのは、こんな経験をしたからかもしれません

Aさんは、コンクールに向けてレッスンを重ねるごとに、技術も表現力もどんどん高まり自信をつけてきました。
しかし、コンクール前の最後のレッスンでは、いつもミスしないところで何度もミスしたり、気持ちが焦ってしまって満足な演奏が１回もできませんでした。

その日は普段と違い、学校行事を精一杯頑張ってきた後の夜遅くからのレッスンで、Aさん自身も弾きたい気持ちは十分あるのに、体も頭も疲れていて、指が思い通りに反応してくれない状態でした。

これは、コンクール当日の早朝に富山から大阪へ向かい、本番を迎える状況によく似ているなと思い、そのことをAさんにもお話ししました。

Aさんとお話ししたこと

・今上手に弾けなくても、Aさんには今まで頑張ってきた力がしっかりとついている。

・本番の時、体も頭も自分が思っている以上に疲れていていることを理解する。

・その状況の中、１回きりのステージで自分が勉強してきたことを出し切る。

・一つ一つのフレーズの歌い方を、自分が音を出す一瞬前に思い浮かべ、常に指に指令を送りながら演奏することで、緊張の中でも集中力を保つことができる。

今回の評価は、指導者としても励みになりました

古典派のソナタは、ロマン派や近現代の曲に比べると、派手さがなくコンクールの審査員にアピール不足となる可能性も十分あります。
レッスンでは、フレーズが生き生きと輝くような歌い方、４分音符の打鍵の種類や切り方に徹底的にこだわりを持った演奏を意識するように心がけてきました。
Aさんは、古典派の音楽に対する理解力が非常に高く、レッスンでの自分の演奏が変化していくことを楽しみながら自信をつけてきました。
地味な曲（笑）でも、基礎基本のテクニックをつける練習にも努力を惜しまず、確実に力をつけてきたAさん。
小さな頃から古典を大事にしてきた私にとっても、今回の評価は指導者としてたいへん励みになりました。

またがんばっていこうね。